オールド・ファッションド、手抜きのバーテンダーが愛するカクテル

今日の一杯は、オールド・ファッションド。
大好きだから、伝えたいことがたくさんあるカクテルです。

手抜きが好きなバーテンダーってね、ボクの事です。
仕事が雑って意味じゃないよ。
わかってもらえてると思うけれど、一応ね。

オールド・ファッションド、どんなカクテルかというと、

  • 角砂糖にビターズを垂らして
  • ウイスキーを注いで
  • レモン、ライム、オレンジのスライスを添えて

飲み方は、

  • レモンにライム、オレンジスライスを、好きなバランスになるまで押しつぶして。
  • 好きな甘さになるまで、角砂糖を崩して。
  • 味見しながら、これを繰り返す。

手抜きがどうのって言うのは、このカクテルはお客様が完成させるカクテルだから。好きな味にして楽しんでよって、とにかく自由で遊び心いっぱいなカクテルなんです。

お客様が完成させるカクテルという意味では、「ニコラシカ」も共通点があるけれど、オールド・ファッションドはもっと自由です。

どのウイスキーを使うかも、遊べるポイントのひとつ。アメリカ生まれのカクテルだから、バーボンやライ・ウイスキーを使うことが多いです。個人的には、スッキリ素直なアイリッシュ・ウイスキーがオススメ。例えばジェムソンなんかね。

もっと言うと、ウイスキーを使わなくたって。

誤解しないでほしいんだけど、オールド・ファッションドにはウイスキーを使うのが常識です。「お寿司には醤油をつけて食べる」ぐらい常識。ウイスキーじゃない、他のお酒で作ってとオーダーされたら、バーテンダーはびっくりすると思います。

ボクも若いころ、衝撃を受けたんです。当時付き合ってた彼女が、さらっと「オールド・ファッションドをジンで作って」って。ボクは、何言ってんの、ウイスキーだろって答えたんだけど、彼女が言うには「自由でいいじゃない、私はジンで飲むのが好きなんだから」って。

惚れ直しました。考え方を変えさせられたね。

常識は常識として知っていて、自分が好きなものもちゃんと知っていて、自由気ままに振る舞うことができる、遊び方を知っているってこういうことだと思ってます。バーの遊び方の範囲に収まらない話です。今のボクの生き方や考え方に影響を与えてくれました。「BAR NASH」の、お客様に自由気ままに楽しんでほしいってスタイルにもね。

そうそう、ウイスキーだけの継ぎ足しオカワリもOKだよ。ボクの店では。

せっかく味を馴染ませたんだから、もう少し楽しんだらいいんです。角砂糖も溶けきってなくて、果汁がまだ絞れるのならね。

「オカワリください」とだけ言ってオーダーすると、お店によっては、何も言わずにもう一杯新しく作ることもあると思います。ウイスキーだけ継ぎ足すよりも、新しく作ったほうがお代もいただけるし。そこんところはクドクド言っちゃいけません。新しく作ってほしいのか、ウイスキーだけ足してほしいのか、ちゃんと意思を伝えればいいんだから。

長くなったから、今日はこのへんでおしまい!
飲んでみたくなった?