あぶさん、アブサン、ジャン・ボワイエ「アブサンティーン」

酒しぶきを物干し竿に吹きかけて、バッターボックスへ向かう。
62歳までユニホームを着た、ホークスの背番号90。

あぶさん

…の名前の由来になったお酒。

アブサン(Absinthe)

今日の一杯は、
ジャン・ボワイエ – アブサンティーン
Jean Boyer – Absinthine

飲み方は、まずそのままストレートで舐めてみる?
で、オンザロックにしてもいいし、加水してもOKです。

アブサンティーンは、今流通しているアブサンの中でも高品質で飲みやすい部類に入ります。とっても美味しいよ。

そうは言っても、あんまりお酒が強くない方がストレートで舐めたら、目回っちゃうかもね。アブサンの特徴は、

  • ハーブ・リキュール(薬草酒)
  • 緑色
  • 水に触れると濁る
  • 強い(だいたい40度以上)
  • 苦い

ハーブ系のリキュールも熱心なファンが多いです。魅力に気づくと、どっぷりハマっちゃいます。有名な、ドイツのウンダーベルグなんかは飲みやすいほうですね。今までブログに書いたのは、
» 世界一苦い酒、フェルネット・ブランカ
» シナモン香る、アフターショック
» ギリシャのウゾ

アブサンの事をもうちょっと話すと、

  1. ピカソもゴッホもアブサン大好き!
  2. 製造禁止になっちゃって、パスティス(まがい物)の誕生
  3. 80年ぶりに復活したけれど…

の3本立て。

1. ピカソもゴッホもアブサン大好き!

もともとスイスで発明されたアブサン。レシピをアルコール・メーカーのペルノーが買い取って、フランスの市場に出回ったのが1800年代初頭。パリの芸術家の間で大人気というか、溺れちゃってました。ゴッホ、ゴーギャン、ドガ、モネ、ロートレック、ピカソ…みんなアブサン大好き。

ゴッホが耳を切り落とした話は有名だけど、あれもアブサンの飲み過ぎが発端という説があります。どうなんだろう、要するにアル中なだったんじゃないの??

流行の理由は、とにかく安くて強い酒だったから。売れる前の貧乏な芸術家が、手っ取り早く酔うのに最適だったんです。原材料のニガヨモギに幻覚作用、中毒性があるとも言われているけれど、実際はよくわかってません。

2. 製造禁止になっちゃって、パスティス(まがい物)の誕生

ニガヨモギの成分はマズいんじゃないか、という流れになって、1900年頃から各国で製造が禁止されていきます。フランスも禁止国で、かわりに「パスティス」という酒が飲まれるようになりました。パスティス、仏語で偽物、まがい物って意味だそうです。ニガヨモギのかわりに、アニス(八角に似た香りのハーブ)を使っています。

偽物といっても、出来が悪い酒って事じゃないんです。今もパスティスは世界中で飲まれてます。やっぱり水を加えると白濁します。

ギリシャの「ウゾ」はアニスを使った、パスティスに似たお酒ですね。美味いよ。
» ウゾ(Ouzo)、知られざるハーブリキュールの世界

ピカソはハーブ・リキュール「スーズ」もお気に入りでした。
» スーズトニックで、元気ハツラツぅ?

3. 80年ぶりに復活したけれど…

で、1981年に条件付きでアブサンの生産が認められるようになりました。簡単にいうと、ニガヨモギの成分を抑えてね、というお達し。だから、ゴッホたちが飲んでいたアブサンと、今出回っているアブサンは全くの別物…なのかもしれないね。

本物飲んでみたい?
どこかにどぶろく(密造酒)があるかもよ。NASHにはないです。怒られるから!

………

最後に、名だたる画家たちが描いたアブサン絡みの絵を紹介します。彼らがどれだけアブサンを愛していたか、推して知るべし。退廃的な絵が多いけど、そんな恐ろしい酒ではありません。今のアブサンは。

ピカソ「アブサン・ドリンカー」
Pablo Picasso. The Absinth Drinker ↓

ゴッホ「アブサン」
Van Gogh, Still life with absinthe ↓

ヴィクトール・オリヴァ「アブサン・ドリンカー」
Viktor Oliva, Absinthe Drinker ↓

アルベール・メニャン「緑色のミューズ」
Albert MAIGNAN, La muse verte ↓

マネ「アブサンを飲む男」
Edouard Manet, Absinthe Drinker ↓

ドガ「アブサンを飲む女」
Edgar Degas, L’Absinthe ↓