スコッチとシェリー、バーボンの話

スコッチ・ウイスキーってよくよく考えると不思議なお酒でね。

同じ茶色い色したウイスキーというお酒でも、スコッチとバーボンはやっぱりジャンルが別物です。まあ飲めばわかるよ。

ちなみに、日本のウイスキーはスコッチが母。発展の経緯はちょっと違うけど、ルーツは同じと思ってください。

スコッチに興味を持って色々と飲んでみて、みんながぶつかるのが樽の話題です。

12~13世紀頃からスコットランドでウイスキー造りが始まっていたらしいです。ただ、ボクらが知っているスコッチとは別物。当時は熟成の習慣がなく、ウォッカやジンみたく無色透明な、地元で取れた穀物を使った蒸留酒って位置付けでした。

樽を使っての熟成が広まったのは18世紀の頃。同時期に大量生産に向く蒸留技術ができあがって、安価で飲みやすいブレンデッド・ウイスキーの発明とともにヨーロッパ中に広まりました。

当時の樽は、イギリスがスペインから輸入したシェリーが入っていた空樽だったんだよ。シェリー(といっても色々種類があるけれど)も木樽で熟成させるけど、スコッチに用いたのはあくまで輸入用の輸送樽です。

今じゃ木樽でお酒を輸入なんて一般的じゃないよね。今はシェリー樽熟成のスコッチをつくるために、スコッチ業者が樽を調達して、シェリー業者にしばらくシェリーを入れてもらって、輸送樽レプリカを仕立てるなんて、複雑な図式になっています。

スコッチ熟成に使う樽の主流はシェリーからバーボンに変わりました。バーボンはね、その都度必ず新樽を使うんです。一度使えば用済みになるから、船便で仕入れたって安くあがる。どうしてシェリーとバーボンだったのか。やっぱりその時々で簡単に入手ができて、美味しかったからだろうね。

ここまで、昔話に聞こえるかもしれないけど、今からたかだか30年ほど前の話です。

スコッチの味の傾向は今と昔で変わったと思うところは、ボクにもあります。実際は、もっと昔から常に変わり続けているというのが正解なんだろうな。

飲み手がスコッチ業界事情を知らなくたって全然構わないけど、自分のお酒の好みを知ったり、その日の気分でお酒を選ぶ時、スコッチならどんな樽で熟成したのかという情報はとても大きな手がかりになります。

ウチに置いている手頃なボトルで言えば、シーバスリーガルのミズナラなんてさ、ちょっと違う樽を使うだけでこんなにも違うんだって実感すると思うよ。