ブレンデッド・ウイスキーというお酒の種類があります。対になるのはシングルモルト・ウイスキー。両者の違いを簡単に言うと、シングルモルトは一つの蒸留所で作られたモルト・ウイスキーのみ。ブレンデッドは複数の蒸留所のモルト・ウイスキー、さらにグレーン・ウイスキーを混ぜたもの。

写真は気分で仕入れたバランタイン12年。BAR NASHではね、ブレンデッドがあまり人気がない。例えば、ジョニーウォーカー、フェイマスグラウス、ティーチャーズ、ホワイトホース、シーバス…お客様の食指が伸びないのは、ブレンデッドが身近になった裏返しかもしれない。
消費量や流通量は圧倒的にブレンデッドが多いのですが、世間の風潮もあるのかな。シングルモルトの方が個性豊かだし、何となく華やかな気分。実際はそんな事ないけどね。イメージに流されて、本当に好きな酒を見失うようじゃ、まだまだ青いよボクちゃん。
今日は人に話したくなるような、ブレンデッドの話をしようか。
抵抗の酒、ブレンデッド・ウイスキー誕生の歴史
ウイスキーは蒸留酒だね。蒸留技術は古来から錬金術の副産物として発明されました。ウイスキーの原型、つまり大麦麦芽を発酵・蒸留したお酒が飲まれ出したのは13世紀頃のスコットランド地方。
でもね、今と違って当時のウイスキーは味も見た目も別物でした。決定的な違いは、透明だった事。ウイスキーの琥珀色は、樽熟成を経て定着します。当時は蒸留したての原酒をそのまま飲んでいたから、我が強くて飲み手を選ぶ、とても万人受けするような類のお酒ではありませんでした。
18世紀になると、重い麦芽税が施行されました。慌てた蒸留業者は、モルト原酒を木樽に隠して税金逃れを企てます。要するに密造酒。樽熟成を経たモルト原酒は思わぬ産物として、樽由来の琥珀色、豊かな香り・味わいを纏います。
その後も度重なる重税を逃れるため、トウモロコシなど他の穀物でグレーン・ウイスキーが作られるようになりました。ただね、グレーン・ウイスキーはモルト・ウイスキーと比べて個性に欠ける。今ひとつ美味しくなかったんです。(少数ですが、グレーンウイスキーをボトリング、販売しているメーカーもあります。機会があれば飲んでみてね。)
そこで、このグレーン・ウイスキーにモルト・ウイスキーをブレンドしたお利口さんが現れました。彼らの名をブレンダー。こうして、複数のモルト原酒とグレーンウイスキーでブレンドされたのが、ブレンデッド・ウイスキー。
ブレンダーの技術はまさに芸術。個性が強すぎてスコットランド地方でのみ消費されていたウイスキーが世に広まる契機となったのは、このブレンデッド・ウイスキーの功績があってこそなのです。
どうかな。単純に混ぜ物だと一瞥してしまうのは、あまりに残念でしょう。
キーモルトを巡る旅
現在も稼働している蒸留所で有名所は、
- グレン・リベット
- ザ・マッカラン
- ボウモア
- ラフロイグ
- アードベッグ
- カリラ
- ラガヴーリン
- スプリングバンク
- タリスカー
- ハイランドパーク
キリがないからこの辺りで。蒸留所の数は100を越えます。実はシングルモルト・ウイスキーとして商品化されていない、あるいはほとんど出回っていないおらず、ブレンデッド・ウイスキー用にモルト・ウイスキーを生産している蒸留所も多くあります。
例えば、著名なブレンデッドのジョニーウォーカー黒。何十種類ものモルト・ウイスキーとグレーン・ウイスキーがブレンドされています。
中でもジョニ黒の味わいを決定づける核となっているモルトウイスキーを、キーモルトと呼びます。
ジョニ黒のキーモルトはね、
- カードゥ
- タリスカー
- ラガヴーリン
タリスカーと一緒に、ハーフで嘗めてみるかい。こんな渋いオーダーされたら嬉しいよ。タリスカーにまつわるラスティネイルの話題も面白いね。
まあ…BAR NASHのバックバー、酒の種類はそんなに多くないんですが。少数精鋭という事でご勘弁。
* 本日のユタカ
スティーヴン・セガールの映画を色々借りてきました。セガールおじさんの所作が大好きです。武士道というか、張り詰めた気の力が伝わってくる。禅寺に修行に行きたいな。ごんぶと。

