ボクは「ワインのばか」

よくお褒めの言葉を頂きます、NASHのワインは美味しいって。

ボクは自他共に認めるワイン好き。いつだってワインに夢中のワイン馬鹿。バーテンダーであるボクにとって、全ての酒は愛すべき対象。愚問ですが、どの酒が一番好きかと問われたら…迷わずワインと答えます。

どうしてそんなにワインに魅せられるのか。今日はそんなお話。

たった一度しか咲かない、美しく儚い花

ワインという飲み物は、飲み頃の期間が限られています。バイオリズムがあるんだよ、一度目のピークを過ぎると、次に抜栓する適切な時期は何年後、十何年後、という具合に。

例えばウイスキー、稀少な一本も適切な保管をすれば、10年単位で保存が可能です。口開けしても、1年程度なら全く問題ない。当然、直射日光の当たらない、温度差の少ない場所に安置して、パラフィンで栓をを密閉するなどのケアはしますが。

ワインの場合は一度コルクを抜いてしまったら、一般的にはその日の内に飲み干すべきだね。手塩に掛けて、何年も大事に管理したワインも、無くなるのはあっという間。

バーテンダーとして力量を積んでくると、いつか自分の店をオープンする日を夢を見て、稀少な酒をストックしていきます。ボクの場合はもちろんワインも。ボクも自宅にワインセラーを置いて、大事に大事に眠らせています。

先日、そんな秘蔵っ子の一本を開ける機会がありました。81年のソーテルヌ(貴腐ワイン)。手に入れてから十数年、適切な管理下で大切に保管して。持てる知識と経験を総動員して、手に入れたその日から一体どんな味なんだろうって想像を膨らませて。いつか飲める日を心待ちにして。

期待と不安が入り交じる心境で、ついに抜栓の時を迎える。それはもう、素晴らしい花を咲かせてくれました。

そんな素敵な体験も一瞬の出来事。1本のワインなど、あっという間に飲んで消えてしまいます。おそらく、もう2度と出会えることはありません。でもね、飲み手の記憶に、人生の一ページにしっかりと刻まれるんだよ。

ね、儚く美しいでしょう。ちょっと文章に酔ってきたな。笑

こんな感情で向き合っているから、どんなワインでも一番の輝きを放てるように心がけています。抜栓はワインにとって晴れ舞台だからね。ボクはその一本のポテンシャルを存分に発揮させてあげればいい。

NASHのワインが美味い理由はね…

NASHのワインは美味しくて安いです。手頃な値段で提供できる理由は、とても説明できないよ。豊富な知識と、様々なワインを飲んできた経験と、仕入れの為に少しの人脈が必要だから。

美味しい理由はね、ブログでは教えません。意地悪じゃなくて。なぜなら、特別な事は何一つしていないから。本当のワイン愛好家なら知っていることだし、ソムリエの資格を持っている方ならなおさら。今さら得意気に語るような話題じゃないんです。

全く同じワインが2本並んでいても、抜栓するまでにどんな環境で過ごしてきたかによって、サーブの仕方でも品質は変化します。コンディションの問題。ワインは農作物。扱い方一つで機嫌が良くなったり、悪くなったり。当たり前の事を、当たり前に実践すれば、ワインは応えてくれます。

美味しく飲む秘訣、お店に遊びに来てくれたら、喜んで教えるよ。

* 本日のユタカ

NASHの近所、昭和新道には猫が多くて、店のベランダにもよく遊びに来ます。来い来いーって手を差し出すと食べ物があると思って無防備に寄ってくるんです。

貴様、もし毒盛ってたらどうするつもりだ!(ああ、猫かわいいよ猫ちゃん)